A 手術を受けた100人のうち、1年後に90人元気に生存して生活できる。
B 手術を受けた100人のうち、残念やけど1年以内に10人は亡くなってしまう。
ヤスさんどっちの手術方法を選ぶ~直感で答えて
フレーミング効果
上記内容は冷静に考えれば同じ事を伝えています。しかし直感的に答えてもらうとほとんどの方がAと答えます。
内容は同じですが違うのは生存者を伝えるか、亡くなる人を伝えるかというところです。
Aは、助かる(生存する)ことに、主眼をおいて伝えているので、聞いた方は、なんとなく安心感があります。それで手術を受けようかな、と思ってしまいます。
しかしBは亡くなる事に、目がいってしまい手術を受けたくなくなります。
こうした数字の見せ方や伝え方で人の判断に変化をもたらす事をフレーミング効果とよんでいます。
問題の見せ方=フレーム このフレームが変わる事によって異なった判断を人はしてしまいます。
フレーム(額縁)が立派だと中の絵まで立派に見えてしまうように、人は見せ方に影響を受け合理的判断が下せない場合があります。
これも損失回避の傾向に関係があります。
人は損失に敏感なので、亡くなる=損失ととらえ出来るだけリスク(損失)を避けたいと考え判断を下します。
フレーミング効果を受けにくい方についての研究があります。
研究者はいろんな実験結果を受け下記のように定義しています。
合理的な人とは、感情がない人ではなく、感情のコントロールがうまくできる人
このように定義しています。
(1年後の生存率)こんな損失回避性のある選択は、一般的な人にとって、これを恐れや不安を持って選択し、もしかしたら不合理かもしれないと思いながらも恐怖や感情のコントロールができなかったかもしれません。
フレーミング効果を受けにくい人は感情に流されず認知プロセスから来た情報を修正、統合しながら判断をくだせます。ただこのような人は少ないですね。
フレームに影響されず、冷静な判断を下せるように、普段から人はこのような傾向があると自覚する事も大事な事です。
フレームを効果的に使える場合もあります。
A 子供にテストの点数があがったら3.000円上げる
B 3.000円上げるげどテストの点数が上がらなかったら返してもらう
これは同じ事ですが、Bの場合いったんお金を手にしてしまい、それを返すという損失回避の傾向がフレームとなります。
どうでしょう 返したくないので、Bの方が効果があるでしょうね。
このように、いろんな場面でこの効果を有効に使う方法もあります。
フレーミング効果は医療現場でも使われる
これは患者さんにとって最善の治療法なのに、伝え方ひとつで、患者さんが選択出来ないようになってしまう事が、あるので研究されています。
医療現場でも行動経済学が活かされています。
患者にとって有利な確率であっても、伝え方によって相手は、選択を誤る事があります。
ある意味怖い事ですね。
患者がベストな選択が出来るような伝え方が大事です。