行動経済学 アンカリング効果
アンカリング効果は商品の価格に密接に関係しています。
アンカーとは、船を停泊させる時に使う錨(いかり)のことです。
私たちは頭の中に様々なアンカーを持っていて価格を判断します。
例えばカップ麺はこれぐらいの価格、デジカメも大体これ位の価格という価格基準でこれがアンカーとなります。
このアンカーによって安い、高いの判断をしますので、この価格から同じ商品が安くなれば購入意欲がわき商品が売れます。
超高級品などには、逆にアンカーを持っていない人が多いですね。
最初に見た数字に影響を受ける
もっとも解りやすいアンカリング効果について説明します。
例えば商品の説明を受けている時に、この商品はいくら位だろうと予測します。
この時、最初に提示された数字に大きく影響をうけ、その後の判断に影響を及ぼす事がよく知られています。最初に提示された数字が、まるでアンカー(船の錨)のように心に働き、その数字の海域にとどまってしまうので、次の予測に影響を与えてしまうのです。
これをアンカリング効果と言い、アンカーは自分自身で設定する場合もありますが、無意識に設定する場合もあります。
このアンカリング効果は非常に高く通常の経済活動でもよく見られます。
アンカリング効果が使われる場面
普通に見られるのがテレビショッピングなどが多いですね。
まず、この商品は、いかにすぐれているか、価格を提示せず説明が続きます。充分説明し終えたあと価格が提示されます。例えば19.800円こんな感じで提示されますが、ちょっと待って下さい。本日は特別に30分以内のお申込みに限り、9.800円でご提供します。
よく見る光景ですが、これは最初に提示された19.800円がアンカーとなり次に提示された9.800円が安く感じるようになっています。
よく見ると他の場所で同じキャンペーンをやっている可能性があります。っていう注意書きが小さくのってますね。
これは常に9.800円で販売しているものが、定価19.800円となると2重価格という事で問題になるからです。
アンカリング効果は交渉術でも使われる
自分がする仕事に対して相手に200万円を請求したいとします。
それで、相手にこの仕事の報酬は200万円ですと伝えると、相手には200万円がアンカーとなりそれを基準に価格交渉が始まります。
相手は少しでも安くしてもらいたいので、200万円以下で交渉をはじめるでしょう。
最終170万円ぐらいで決着するかもしれません。
これを最初に230万円の報酬を提示した場合は相手に230万円のアンカーが与えられます。
交渉の結果200万円で決着する可能性もあります。こうなれば最初に自分が請求したい金額を得る事ができます。
全てがこのような感じではありませんが、最初に提示した数字は相手に大きなアンカーを与える事を覚えといて下さい。
駆け引きという言葉があてはまるかどうかは、わかりませんが、自分も満足し相手にも、満足してもらう交渉を行うには、このような知識も必要だと言うことです。
政治、外交等あらゆる場面でもこのアンカー効果は、使われています。